オブジェクト・ポートレイト by Eric Zetterquist

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 もう終わってしまった展覧会を紹介するのはどうかと思いつつ、終始鼻息を荒くして見て回った久しぶりの展覧会でしたのでそこで感じたことを少し書いてみます。

 大阪市立東洋陶磁美術館で開催されていた企画展「オブジェクト・ポートレイト by Eric Zetterquist」の最終日に滑り込んできました。器方面には不案内なもので東洋陶磁美術館の存在は知っていながら、いつも素通りしておりました。が、この企画展をSNSで知った時、何故かピンと来たのです。

 この幾何学的なデザインは手前の水注の一部をクローズアップしたものです。部分を切り取ることで門外漢や予備知識のない私のような者にも、ある種の鑑賞ガイドのようにこの水注が漠然と眺める対象から読み取る対象へと変わります。そして全体の美だけでなく、部分や空隙部にも美を見出すこともできるのだよと気付かせてくれます。また、この展覧会では陶磁器のフォルムに意識が向けられています。それは近代以降の建築の姿勢とも共通するのではないかと、私がピンと来たのもそういったことがあるのかも知れません。一方で抽象化する過程で絵模様は切り捨てられています。工芸的な美を思うと絵模様にも価値はあるのではないかと、そのあたりEric Zetterquist氏はどう考えているのでしょうか。

© Ikeda Hisashi Architects  2015-2018