社屋デザインの重要性 ② 採用の武器

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 前回に引き続き、社屋をきちんとデザインすることで得られるメリットについて弊事務所で構想デザインをしました「ミツ精機 郡家第4工場」を例に解説をいたします。

 少子高齢化の影響で優秀な新卒者の数は減る一方です。特に地方に拠点を持つ中小企業では、都市部に若者が流出し地元に残った学生を取り合う状況が常態化しています。また良い人材を採用できたと思ってもすぐに退職してしまい、なかなか定着させることができないなど、人事部の悩みはつきません。

 「ミツ精機 郡家第4工場」では顧客や地域への配慮と変わらないほどに、従業員の方々が勤務の間にいかに充実した時間を過ごすことができるかを考えてデザインを施しています。一例として休憩室に隣接したテラス(上写真)を挙げます。この工場のデザインにあたっては様々な工場の視察を行いましたが、大抵の工場では従業員の方々がリラックスできる空間は限られています。「ミツ精機 郡家第4工場」では社長をはじめとしたプロジェクトチームの方々と話し合いを重ね、この工場の特等席とも呼べる場所に従業員の方のためのテラスを設けました。眺望を楽しむことができ、季節の香りや移ろいを感じながら過ごすことができる場所です。先日お披露目会を行ったそうですが、このテラスと休憩室を見ると従業員が喜んでいます、と担当の方から伺いました。こうしたエピソードは建築が働く意欲を向上させることに一役買っている証拠とも言えると思います。人を大切にする経営者の思いが伝われば、既にそこで働いている人だけでなく、これからどこで働こうかと就職活動をしている人にも響くことは間違いありません。

 社屋を丁寧にデザインすることは、人に対する当然の態度を表明することになりますが、結果として“採用の武器”にもなると言えるのです。


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