
空間プロデュース展@大阪産業創造館に出展いたします。商談のための展示会への出展は弊事務所初の試みです。
今回は「100社100通りのストーリー、建築を通して発信しませんか」をキーフレーズに、5つのプロジェクトに一言のストーリーを添えて紹介しております。企業にとって建築を通してのメッセージの発信がなぜ重要なのでしょうか。ここでは4つの理由をご説明いたします。
① 建築を広告塔に
2年前に竣工しました「ミツ精機 郡家第4工場」はこれまで新聞に何度も取り上げられています。クライアントの行った工場建設という大きな投資が注目された訳ですが、その記事には工場の写真も添えられています。建築物は建主の思いや理念を建築家を通じて具現化したものです。「ミツ精機 郡家第4工場」では必要な生産能力を確保すると同時に、地域に根差した佇まいになるようデザインしています。この工場を見れば、地域社会や住民、従業員に深い配慮を抱いた企業であることが自ずと伝わります。建築は一度建設されると数十年、長ければ百年を超えて存在します。経営者の理念・理想を言葉だけではなく建築という姿形で表明することで、より深いレベルでその本質を世界に向けて発信することができるのです。
② 社屋だってTPO
時・所・場合に応じた服装や振る舞いができてこそ一人前の大人というもの。これを建築に置き換えると「T=時代の価値観」「P=周辺環境」「O=使われ方」に相応しい合理的で美しいデザインと置き換えることができます。
2020年代に人々の価値観が大きく変わろうとしています。それは原材料の出所や企業の理念といった商品の背景に「正しさ」を求める姿勢です。格好いいデザインや低コストなど社屋に求める価値にはさまざまな物差しがありますが、建築単体にとらわれるのではなく、周辺の自然・文化・歴史を含めた環境やその建築を使う人たち、地域住民など広い視野でデザインをすることで、TPOをわきまえた会社の身なり=社屋を整えることができます。
③ 採用の武器
少子高齢化が進む日本社会において、若い優秀な人材の確保は企業にとって死活問題であり、特に地方の中小企業にとっては大きな課題となっています。また、若い世代ほどワーク・ライフ・バランスを重視していますが、ただ時間的なバランスを取るだけでなくワークの質も重要です。職場の環境は空間に大きく左右されますが、他社との差異化を図りやすいのもまた空間です。魅力的な働く環境を備えることで、誰もがここで働きたいと思える会社となることができます。
④ モチベーションUP
一昔前、トイレで食事をする若者が大勢いる、と話題になったことがありました。多くの人が眉をひそめた訳ですが、この違和感は行為と場所の不一致に気持ち悪さを感じたからです。人間の活動や行動には相応しい場所や環境があると私たちは無意識に知っています。では、働くのに適した環境とはどういったものでしょうか。実はこれは一概に決められるものではありません。働く方々の声に耳を傾け、周辺環境を丁寧に読み込み、そうして現れる空間が御社にとってベストな働く環境となります。働く環境が整えば自ずとモチベーションも上がり、生産性の向上へと繋がります。
弊事務所では、オフィスや工場といった働く空間のほか、保育所や学校などの教育施設、教会や茶室など非日常の特別な空間、一戸建て住宅や集合住宅などの住まい、官公庁施設など公共空間の設計監理を行なっております。また、新築だけでなく増改築、リノベーション、家具、会場構成など建築や空間にまつわることでしたら何でもお気軽にご相談ください。