できること・できないこと

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 この写真は大阪城の石垣に使われた石で一番大きな「蛸石」と呼ばれている巨石です。真ん中で「気をつけ!」をしている私と比べるとその大きさがお分かりいただけると思います。この巨石を前にした時、21世紀に生きる私たちは「重機のない江戸時代にこんな大きな石を運んですごいなあ」と感心するものですが、果たして現代の建築設計図に、この130トンもある巨石を設置とさらりと書いて実現することができるでしょうか?

 建設の現場で問題となるのは運搬です。トラックで運べる大きさに分割して現場で組み立てる、という制限が現代建築には覆い被さっているのです。どんなに高い超高層ビルだってトラックで運ぶことのできるバラバラの部品の組み合わせで建てられています。

 現代ある技術を駆使すればこの巨石を運んで据えるということは可能です。しかしながら、何としてでもこの36畳敷きの巨石をここに据えるんだ!という執念こそが昔の人の偉い所以か、と思う今日この頃です。

© Ikeda Hisashi Architects  2015-2018