「当たり前」のレベル

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 先日、オランダとベルギーを旅しました。そこで訪れた建築や街で感じたこと・考えたことを少しずつブログに記します。

 前回ご紹介した「ファン・ネレ工場」のほど近くにある橋脚です。付近は観光客どころか住人の姿もまばらな寂しい雰囲気の場所なのですが、この橋脚からは美しいもの・カッコいいものをつくろうという意志が伝わってきます。

 橋脚のように、特に土木構築物の人の目に触れにくい部分は、機能を果たせばそれで良いではないか、という考えに陥りがちです。むしろこういった所にデザインを施すことはお金や労力の無駄遣いだと考える人が多いのも事実です。日本での経験ですが、役所の方から公共施設では凝った意匠は役所内の監査に引っかかるので、あまりデザインをしないでくださいと言われたこともあります。監査役の思考回路が「美しい・カッコいいデザイン=予算の無駄遣い」となっているというのです。そのときは言うことを聞かずにしっかりデザインをしましたが…(予算内で!)。

 ロッテルダムでこの橋脚を見つけたとき、日本とオランダの「当たり前」のレベルの差を痛感しました。つまり、どこまでデザインをすることを「当たり前」と捉えているか、ということです。もし日本の「当たり前」のレベルが高ければ、東京・日本橋の上に建てられた首都高速の姿や価値観は違っていたかもしれません。


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