楽しさを演出する

IMG 0371*

 先日、オランダとベルギーを旅しました。そこで訪れた建築や街で感じたこと・考えたことを少しずつブログに記します。

 オランダを代表する建築家集団MVRDVが設計したマルクトハル(上写真)はロッテルダムのBlaak駅のすぐそばにあります。フードマーケットと集合住宅が一体となった施設で、外観は巨大なかまぼこをくり抜いたようなとてもユニークな形をしています。くり抜かれたかまぼこにできた大きなトンネル部分には、生鮮食品店や食料品店、レストランがあり、私が訪れた時にも世界中からやってきた観光客で賑わっていました。

 このマルクトハルで目を引くのは、やはり壁そして天井を覆うカラフルな壁画ではないでしょうか。この壁画はオランダ人アーティストのアルノ・クネンとイリス・ロスカムが、17 世紀のオランダ絵画を参照しながら、果物や野菜、花などをモチーフに描いたもので、「コルヌ・コピア(収穫の円錐)」と呼ばれています。

 近代建築は装飾を否定し単純な要素(面や線)の組み合わせによって新しい建築空間を生み出しました。現代の建築もその影響下にあると言って良いと思いますが、マルクトハルでは色鮮やかな壁画という装飾によってとても楽しい空間を演出しています。銭湯に描かれる富士山もそうですが、壁画や装飾には空間を演出する力があり、その力を臆することなく取り入れたMVRDVの大胆さを見習いたいと思いました。また、マルクトハルは建築の形態も面や線では構成されておらず、脱近代建築を目指した野心あふれる建築です。ロッテルダムに行かれる方はぜひここでランチを食べて楽しいひと時を過ごしてください◎


-  -  -  -  -  -

>>関連記事

水平は 自然かそれとも 人工か

リートフェルト・パビリオン

建築を地形化する

「当たり前」のレベル

動かない建築のダイナミズム

© Ikeda Hisashi Architects  2015-2018