水平は 自然かそれとも 人工か

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 先日、オランダとベルギーを旅しました。そこで訪れた建築や街で感じたこと・考えたことを少しずつブログに記します。

 ベルギーのブリュッセル中央駅から歩いて王立美術館へ向うと、綺麗に手入れをされた庭園に出会います。ヨーロッパの庭園といえば、樹形を四角や丸型に刈り取った作り込んだ庭をイメージしますが、私が訪れたときはまだ寒さが残る季節でしたので、そこには春を待つ木々の姿がありました。そしてその木々たちの下半分は白く塗られています。帰国してから調べてみると、どうやら樹木を日焼けから守る効果があるらしいのですが、真偽の程は不明です。

 さて、私が面白いなと思ったのは、白く塗られた高さが一定なので、そこに水平ラインが現われているように見えたことです。白色と樹木の地色の境目がまるで水面で、地面を歩く人たちは水の底を歩いているように見えます。よく自然界に直線はないと言われ、有機的な造形を目指すとグニャグニャ曲がったデザインとなり勝ちですが、水平は地球がつくる平らな面でありながら、何か人工的な雰囲気も漂う不思議な存在です。建築にとって水平をきちっと守ることは使用上そして構造上とても大事なことです。建築内部の床面は水平が当たり前となっていますが、その常識を覆そうとしたのがクンストハルで、建築内に水平でない床があると床の存在感が増に増します。

 水平という自然と人工のどちらとも取れるかたちを素直につかうか、ちょっとズラしてつかうか、建築の可能性はそういういところに眠っているような気がします。


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