建築は時代の鏡

IMG 1151*

 阪急「御影」駅から少し坂を上がったところに小原流盛花記念センター(設計:清家清)があります。2010年以降、一般公開されておりませんでしたが耐久性への配慮から閉館される運びとなり、先週末に閉館前最後の展覧会が開かれました。以前から前を通るたびにぜひ訪れてみたいと感じていた建築でしたので、内部を拝見できるラストチャンスを逃すまいと予定をやりくりし見学してきました。

 内外ともにはじけるような勢いの植物とそれをどっしり受け止める建築のぶつかり合いが空間に張り詰めており、単なる調和やハーモニーとは異なるエネルギーを感じました。竣工が1962年ですので、東京オリンピックや大阪万博を目前にした日本が経済大国としての道をがむしゃらに突き進んでいた時代の建築です。

 建築にはクライアントと建築家の思想が強く反映します。人は社会という基盤に根を張って生きている訳ですから、どんなにオリジナルな個人だと考えていても思考にはその時代の社会が反映されます。そうなると建築空間もクライアントと建築家を通して社会が反映されていると言えるのではないでしょうか。そのような眼差しで建築や都市を眺めてみると、今までとは違う顔を見ることができるかも知れません。

© Ikeda Hisashi Architects  2015-2018