数百年後に備えて

IMG 3398*

 古い大きなお寺を訪れると太く高い柱に圧倒されることがあります。写真は唐招提寺金堂を支える柱です。8世紀から21世紀の現代に至るまで、数々の風雨、地震に堪えた木の強さに驚かされました。この木を伐採し、ここに立てたとき当時の大工たちはさぞ誇らしい気分になったのではないでしょうか。

 さて、先日同じ奈良県にある興福寺の執事長 多川氏の講演を聴く機会がありました。興福寺では文政2年(1819年)に仮再建された中金堂を平成20年(2000年)に解体し創建当初の姿で再建する計画を進め、ようやく今年の10月に完成を迎えるとのこと。仮設のお堂でもそこら辺の重要文化財よりもよっぽど歴史があるのでは、、と思わされるスケールの大きなお話です。再建にあたって大きな課題のひとつが、柱になる大木がもう日本には無いということ。平成の中金堂にはアフリカのカメルーンからはるばる海を渡ってやってきた36本の柱が並ぶそうです。

 いくら技術が発達しても、巨木をつくり出すことはできません。数百年後の再建に向けて今から大木を育てる動きってあるのでしょうか?もしかしたら数百年かけて育てた大木がその頃には天然記念物になっていて切り倒せない…なんてこともあるかも知れませんね。

© Ikeda Hisashi Architects  2015-2018