本福寺水御堂

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 秋の淡路島巡りでは、淡路市にある本福寺へも立ち寄りました。ここには安藤忠雄設計の水御堂という、一風変わったお堂があります。名前の通り水が特徴のお堂ですが、写真はその水に出会うまでの経路です。水御堂に至るまでには、まっすぐな壁と曲線を描いた壁があり、参拝者はその壁に向って歩き、その壁に穿たれた孔を通り、その壁に沿って歩きます。まるで壁に導かれるように。そして壁の終点で体の方向を180°回転させて、ようやく壁の向こう側、水御堂に出会うことができるのです。

 このような経路のデザインのことを、建築家界隈では「シークエンス」と呼びますが、安藤さんの設計する建築空間はこのシークエンスのデザインによって訪れた人を安藤ワールドに巧みに引込む魅力があると感じます。特に壁の終点で体の向きを変えるデザインは、周囲の風景や太陽の位置、地面の勾配などがこれまで通ってきた道と全く変わる訳ですから、お寺や教会のような神聖な空間、俗世界と隔たった世界へと入って行く参拝者の心を切り替える作用があるのではないでしょうか。

 肝心の水御堂の水御堂たる所以については、実際に訪れてあなたの目で確かめてください。ここでのネタバレは差し控えますね。

© Ikeda Hisashi Architects  2015-2018