MIHO MUSEUM

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 先日、MIHO MUSEUM に行ってきました。信楽の山中にある美術館で、古代エジプトやギリシャ、中国、日本などの彫刻や器、絨毯等のコレクションを展示しています。建築は中国系アメリカ人の建築家 I.M.ペイによるもの。ルーブル美術館のガラスのピラミッドを手掛けた建築家が構想した空間は圧巻です。特にレセプション棟から本館へと至るアプローチが素晴らしい。ある漁師が芳香のただよう桃花林に導かれるように迷い込んだ洞窟を抜けると理想の楽園が広がっていた、、という物語がモチーフになっています。レセプション棟からトンネルを通り、現われた橋を渡るとそこに桃源郷、つまり美術館があるという構成になっています。

 山林に美術館をつくりたいというクライアントに出会い、トンネルを掘り、橋を架けることを提案したI.M.ペイ。建築をデザインするというとついつい建物とその周辺に思考の範囲を狭めてしまいがちです。しかし、土木工事にまでアイデアを持っていたからこそ、このアプローチを実現できた訳です。たとえここまで大げさなプロジェクトでなかったとしても、建築をつくるという思い込みから、空間をつくるという考え方に発想を解放できるかどうか、建築家のスケールを決める大切な視点だと思います。

© Ikeda Hisashi Architects  2015-2018