デザなん/厚木の家 vol.3/障子の秘密

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 「厚木の家」第3回目は障子のお話です。Projectページの写真には障子を閉めた写真はありませんが、大開口部分には上写真のように障子を用意しています。カーテンやブラインドでも目隠しにはなりますが、この家には障子が似合っていると思います。デザインのポイントは「吉村障子」であること。建築ツウの方なら聞いたことがあるかも知れません。吉村障子の特徴は、框と組子の見付寸法(正面から見た時の幅)を18mmに統一し見込寸法を30mmであることです。普通の障子は強度や作業性を考慮して外側の枠を太くするのですが、吉村障子では外も内も同じ寸法に統一されています。そうすることで障子を閉めた時に、タテヨコの全ての線がすべて同じ幅になり、障子一枚一枚の境目があいまいとなって大きな面としての表現となります。すると伝統的な和風建築の建具である障子がとたんにモダンな雰囲気を持つようになります。

 ミリ単位の細かな話で空間全体の雰囲気がガラリと変わる…建築の面白さは大きな物体の些細な部分でも大きな影響力をもつところにあると思います。

 ちなみに「吉村障子」の吉村というのは、この障子を考案した建築家・吉村順三からきています。建築設計に携わる者なら知らない者はいない巨匠です。興味のある方はぜひ調べてみてください。

(「厚木の家」は橘川雅史建築設計事務所との協働プロジェクトです。)

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過去のなんで?

デザなん/厚木の家 vol.1/大黒柱の役割

デザなん/厚木の家 vol.2/大開口の仕掛け

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デザなん/香里園のH邸 vol.1/連続アーチの天井

デザなん/香里園のH邸 vol.2/軒裏の格子

デザなん/香里園のH邸 vol.3/庭を実現させた駐車場の工夫

デザなん/香里園のH邸 vol.4/階段×本棚

デザなん/香里園のH邸 vol.5/キッチン

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