デザなん/厚木の家 vol.1/大黒柱の役割

DSC 0491**

 Projectページには各建築の最後にコンセプト文が載っていますが、ちょっと小難しく書いていたり、細かな部分の説明を端折っていたりしていて、分かりにくいと感じる方もいらっしゃるかも知れません。そこで、ブログ内でなんでそんなデザインにしたのか、各プロジェクトを数回に分けて建築の“部分”にクローズアップしてご説明いたします。


 デザインのなんで?シリーズ、略して「デザなん」第2弾は「厚木の家」について取り上げます。今回のテーマは「大黒柱」。LDKのど真ん中に立つ大黒柱は奈良県の材木屋さんを訪ねて選んだヒノキの磨き丸太です。この柱の持つ役割は2つ。1つ目は棟木を支える構造体としての役割です。もしここに柱が無かったとしたら、棟木のせい(木材の高さ)はもっと大きいものにしなければならず、写真のようなきれいな三角形をした天井にはできません。棟木の下の方が室内側に飛び出してしまいます。棟木が見えていることは必ずしも悪いことではないのですが、現代の民家をコンセプトに掲げた「厚木の家」で棟木が見えてしまうと、とたんに素朴さが勝ちすぎるため棟木を隠すようにデザインしました。

 2つ目の役割は、この家の象徴になることです。この家から離れたご家族が我が家を思い出すとき、将来お孫さんがおじいちゃん・おばあちゃんの家を思い浮かべるとき、立派な大黒柱があったなあと、記憶の依り代となるものが民家としての「厚木の家」には必要では無いかと考えたからです。都心や住宅街に建つ住宅ならこのような象徴的な存在はかえって空間に息苦しさを与えかねないのですが、広々とした畑の中に自然と寄り添いながら暮らす家にはかえって心の落ち着きをもたらしてくれていると感じます。テレビを見るには邪魔なようですが…笑

(「厚木の家」は橘川雅史建築設計事務所との協働プロジェクトです。)

-  -  -  -  -  -

過去のなんで?

デザなん/香里園のH邸 vol.1/連続アーチの天井

デザなん/香里園のH邸 vol.2/軒裏の格子

デザなん/香里園のH邸 vol.3/庭を実現させた駐車場の工夫

デザなん/香里園のH邸 vol.4/階段×本棚

デザなん/香里園のH邸 vol.5/キッチン

© Ikeda Hisashi Architects  2015-2017