火山のふもとで

 数年前に恩師である松隈洋先生から、この本知ってる?と教えていただいた小説『火山のふもとで』を図書館で見つけ読み終えました。有名建築家の事務所が夏の間だけ事務所機能を移す「夏の家」を舞台に設計事務所の日常や建築家、クライアント、所員たちの人間模様が新人所員の目線から描かれています。設計事務所を主宰する建築家のモデルは吉村順三と言われており、そこかしこにそのイメージが重なります。設計事務所の日常の描写がリアルで、文章を追っていくと自分もスタッフの一人になったような気になります。ベテラン所員の件など、私が以前お世話になった番頭さんの顔を思い浮かべながら読み進めました。本当によく取材されたのだなあと感心します。

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