札幌での試み

yuri W

 先日、Projectページに公開しました「百合が原の計画」は、札幌市・小樽市を中心に新築戸建て住宅やリノベーション、お店を設計する株式会社Build180°さんの札幌の街並みを美しくしたいという思いからスタートしたプロジェクトです。

 札幌で購入できる土地の多くは「建築条件付き」と言って、売主が指定する建設会社が住宅の建設を請け負う条件が課されています。そうして建てられる住宅は土地を売ることを重視して計画されたものですので、使い勝手やデザインにおいてあまり良いものとは言えません。また、土地の売買や住宅建設とはそういうものだ、と建築の世界の広いことを知ることができないまま一生に一度のマイホームを建てざるを得ない状況に、多くの札幌市民は直面しています。であれば、“条件”に課せられる建築物を使い勝手が良く、洗練されたデザインにすれば、ほんのわずかでも札幌の街並みを美しくできるのではないか、こうして「百合が原の計画」はスタートしました。

 不動産の世界と建築の世界は近いようで大きな隔たりがあるのが現状です。不動産業界の商習慣を毛嫌いするのではなく、建築家が関わることによって価値ある建築・住宅をこの世に生み出すことができれば、それはこの社会にとって意味のあることだと思います。

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