2025 6月
大阪府茨木市を拠点に関西全域および全国各地で活動する一級建築士事務所です。
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引き出し

「いい空間をつくるにはどうしたらいいんですか」非常勤講師を務める大学の学生にこう聞かれた。「空間の体験を重ねて、それをいつでも使えるように引き出しにしまっておくことだよ」わたしは(ドヤ顔で)答えた。 この答え、実は受け売りである。ちょうど通勤電車に揺られながら読んでいた本にホラー小説の巨匠 スティーブン・キングのエピソードがあったのだ。ある日、スティーブン少年は叔父のオーレンと共に家の裏にある網戸を修理に向かった。オーレンは大きな道具箱を片手に家の裏手へ回る。作業は簡単に終わり、使った道具といえばドライバー一本であった。スティーブン少年はオーレンに尋ねる。ドライバーだけで済むなら、なぜこんなに大きくて重たい道具箱を持ってきたのか、と。 「ああ。でもなスティーヴィ」叔父は屈み込んで道具箱の取っ手を掴みながら言った。「何があるか、ここへ来てみなきゃあわからないからな。だから、道具はいつも、全部持っていた方がいい。そうしないと、思ってもいなかったことに出っくわして弱ったりするんだ」 存分に力を発揮して文章を書くためには、自分で道具箱を拵えて、それを持ち運ぶ筋肉を鍛えることである。(スティーブン・キング『小説作法』) このエピソードを読んだとき、「文章」を「建築」に置き換えても同じことが言えると思った。世の中に完全なオリジナリティはなく、新しく見えるものも実は既存の形や概念を組み合わせたり、ずらしたり、つまり編集することによって生み出されているとわたしは考えている。自分の引き出しの中身が少なければ、その組み合わせは貧弱なものになる。一方、引き出しにたくさんの道具があれば、言うまでもなく豊かなアイデアにつながる。 小説家にとっての道具が「言葉」だとすれば、建築家にとっては、「空間の体験」がそれにあたる。何も歴史的建造物や有名建築ばかりだけではない。日々の中で出会う、なんだか落ち着くベンチの配置やつい座りたくなる段差、早く立ち去りたいと思わせるお店の雰囲気など。こうした何気ない経験を引き出しにそっとしまっておく。わたしの場合、祖父母の家にあった広縁に置かれた一対のソファや心地よい風が通り抜ける実家の団地の階段が、幼い頃の思い出と共に心地よかった空間としてストックされている。 もし読者の中に建築を建てようと考えている方がいれば、建築家に「自分にとって心地よい空間」について語ってほしい。きっとそこから着想を得て、あなただけの特別な空間を構想してくれることだろう。

architecture lecture series | 1/1 #1

昨年から建築家仲間と企画・運営しております「architecture lecture series」ですが、2025年度は「1/1」と題しまして、1作品を1時間かけて語るシリーズです。 第1回目のゲストはMIDWの服部大祐さんに登壇していただきます。皆様のご参加をお待ちしています。・日 時:2025.6.14 sat    講演会14:00-15:30 懇親会15:30-16:30場 所:POND (近鉄奈良線「菖蒲池駅」すぐ)    奈良市あやめ池南6-1-7入場料:1,000円(学生500円)予 約:不要(直接会場までお越しください)

パビリオン@この街のクリエイター博覧会2025

先週末は「この街のクリエイター博覧会 2025」に参加しました。 せっかくの博覧会ですので“パビリオン”を建てたのですが、資材の高騰や円安の影響もあって建設費が6,000円を超える高額になり、SNSなどで炎上しないか心配しています。 展示したのは「OQ」というDIYできる応急屋台です。コロナ禍の当時、飲食店が店先でお弁当を販売することがありましたが、既製品の屋台がとても高いので、ホームセンターで手に入る材料で、誰でも簡単に組み立てられる屋台を考案し、作り方をWEBで無償公開しておりました。 今回は倉庫から応急屋台を引っ張り出しまして、会場内に建設しました。久しぶりでしたので5年前に比べておよそ1.5倍の工期がかかり、開幕に間に合わないのではとマスコミを賑わせそうになりましたが、なんとか25分で組み立てることができました。 ご来場いただいた方には面白がっていただき、期間限定で製作マニュアルを公開したところたくさんの方にダウンロードしていただきました。 ご来場くださった皆様、ありがとうございました!また、企画運営してくださったメビックやトーガシの皆様、一緒に会場を盛り上げてくださった出展者の皆様、お疲れさまでした◎貴重な機会に感謝です!

「この街のクリエイター博覧会2025」出展のお知らせ

今週金曜日、土曜日にマイドーム大阪で開催されます「この街のクリエイター博覧会2025」に出展いたします。 「OQ」の実物を展示予定です。お時間・ご興味ありましたらぜひお立ち寄りください。 なお、入場は無料ですが、事前申し込みが必要となります。詳しくは以下の概要をご確認ください。<イベント概要>…………………………………………………………………………この街のクリエイター博覧会2025大阪のクリエイティブパワーを世界へ発信!…………………………………………………………………………◇開催日時:2025年6月6日(金)14:00-18:00      2025年6月7日(土)10:00-17:00◇会場:マイドームおおさか 2階・3階 展示ホール◇入場料:無料(要事前来場登録)◇詳細:https://www.mebic.com/event/2025-06-06.html◇来場登録(Peatix):https://konokurihaku2025.peatix.com/

事務所開設12周年を迎えました

去る6月1日、事務所開設12周年を迎えました。 干支がまるっと一回り、赤ちゃんが小学6年生になる月日が経った訳で、よくここまで続けられたものだなあと、お客様やお仕事でご一緒させていただいた方々とのご縁や家族の支えに感謝です。 ただいまは、社員寮の新築プロジェクトが進行中ですが、戸建て住宅やマンションリノベなど幅広くご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。 これからも建築や空間を通して、より良い社会・世界の実現にほんの僅かでも貢献できるように頑張りたいと思います! 今後とも末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。 ・写真は事務所からの眺め。目の前には神社の屋根と緑が、遠くには北摂の山並みが見えます。