Portfolio Categories アンビルト
大阪府茨木市を拠点に関西全域および全国各地で活動する一級建築士事務所です。
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丘の上の離れ

小道の途中の東屋と、小道の果ての見晴し台 母屋の裏手の丘へと続く小道をたどると、やがて少しひらけた平坦な土地に出会います。クライアントは、この場所に一人静かに過ごせる空間を求めました。見渡す景色は、母屋から池、山並み、そして大空へと広がり、木々のざわめきや柔らかな風が身体を包み込む、豊かな環境です。 既存の散策路は、母屋前から急勾配の山肌を斜めに登り、ヘアピンカーブを折り返してこの土地へと至ります。私はこのプロジェクトの主役は、建築ではなく環境そのものだと直感し、小道と周囲の自然への添え物としての建築を考えました。 建築の内部空間は散策途中に立ち寄る東屋、そして小道の終着点には見晴し台となる屋上が続く構想です。 平面は「のの字」型とし、外部に開かれた明るくオープンな空間と、緩やかなカーブの先に洞窟のように静かで包み込む空間を配置しました。これら異なる性格をもつ二つの空間は、やわらかな曲線で繋がり、その奥にはトップライトから自然光が差し込みます。 小道から続く階段を登ればそこは終着点の見晴し台です。鉄筋コンクリート造の打放し仕上げの建築は時の移ろいとともに、風化し燻んだ表情になるでしょう。しかし、この離れにとって自然との対話の中でゆっくりと姿を変えていくことはネガティブなことではありません。 自然と同化し数十年、数百年後にも、穏やかな魅力を放つ遺跡のような存在になってほしいと、シンプルでありながら強い空間性を持つ建築を目指しました。

CAP HOUSE

大きな庇の下で豊かな環境を愉しむ平屋   近畿地方の山あいに建つ住宅の計画案。正方形の主屋の西と南に大きな庇を取り付けました。帽子の鍔のような庇の下には大きな窓があり、この半外部空間が建物の内外をつなぎます。仕上げはラフに使えるコンクリート土間とし、内からも外からも使い勝手が良い場所にしました。例えば、野良仕事の合間の一休みや夕涼み、日曜大工にプール遊び、洗濯物や柿を干したり…暮らしに寄り添う空間です。 間取りや建築の形は、谷間の豊かな自然と向き合うために、複雑な操作をこねくり回さず、シンプルな空間構成を意図し、自然に恵まれた豊かな環境と親しむ暮らしを目指しました。

大きな円弧のあるすまい

大らかに空間を仕切る   マンションでももっと大らかな空間で暮らせる間取りがあっても良いのではないか、と考えました。 住戸の中で最大距離を取ることができる対角を半径30mの大きな曲面壁でつなぎ、住戸を二分しています。壁を曲面にすることで距離感が掴みにくくなり、対角を結ぶ距離の効果はさらに強調されます。物理的な距離と知覚の操作によって、広々とした大らかなリビングをつくり出すことを意図しました。 曲面壁の凹側は「巣」をイメージした空間。抽象的な白く広いリビングとは対照的に、木で仕上げた寝室とダイニング、キッチンを配置しました。壁のカーブはこの場所を囲まれた空間として想起させます。マンションにも住人が建物に守られていると感じられる空間性を与えようと考えました。