2025年4月11日
大きな庇の下で豊かな環境を愉しむ平屋 近畿地方の山あいに建つ住宅の計画案。正方形の主屋の西と南に大きな庇を取り付けました。帽子の鍔のような庇の下には大きな窓があり、この半外部空間が建物の内外をつなぎます。仕上げはラフに使えるコンクリート土間とし、内からも外からも使い勝手が良い場所にしました。例えば、野良仕事の合間の一休みや夕涼み、日曜大工にプール遊び、洗濯物や柿を干したり…暮らしに寄り添う空間です。 間取りや建築の形は、谷間の豊かな自然と向き合うために、複雑な操作をこねくり回さず、シンプルな空間構成を意図し、自然に恵まれた豊かな環境と親しむ暮らしを目指しました。
大らかに空間を仕切る マンションでももっと大らかな空間で暮らせる間取りがあっても良いのではないか、と考えました。 住戸の中で最大距離を取ることができる対角を半径30mの大きな曲面壁でつなぎ、住戸を二分しています。壁を曲面にすることで距離感が掴みにくくなり、対角を結ぶ距離の効果はさらに強調されます。物理的な距離と知覚の操作によって、広々とした大らかなリビングをつくり出すことを意図しました。 曲面壁の凹側は「巣」をイメージした空間。抽象的な白く広いリビングとは対照的に、木で仕上げた寝室とダイニング、キッチンを配置しました。壁のカーブはこの場所を囲まれた空間として想起させます。マンションにも住人が建物に守られていると感じられる空間性を与えようと考えました。