田畑と宅地が入り交じる郊外に建つ住宅。クライアントは三人のご子息が自立され、再び二人で暮らすこととなったご夫婦。要望は「広々としたリビングと和室二部屋」と至ってシンプルなもので、お二人の素朴な人柄にふさわしい“現代の民家”を目指しました。外形は単純な家型とし、内部はリビング、ダイニング、キッチンを正方形のワンルームに納め、その中央に磨き丸太の大黒柱を据えています。これは日本の古民家の特徴である「田の字型プラン」の大黒柱を間仕切から解放した形で、空間にダイナミックさと流動性をもたらします。また畑に面した大開口と木製サッシは、現代の民家だからこそ可能となった開放性と快適性を生み出し、季節の移り変わりとともにある暮らしを実現させます。
協働設計者:橘川雅史
施工:小宮山工務店
2014年8月26日
戸建住宅, 新築