地域に根差した工場のあり方
この工場では、ものづくり新興国の成長が著しい中で日本企業がグローバル時代を勝ち残るために、その強みである技術力の基盤=ローカル(人・施設・環境)のさらなる拡充を図ることが大切と考え、以下の3点をコンセプトに据えました。
①風土に根ざす
古い民家が持つような無理のない自然な佇まいでありながら、他の建物にはない魅力を備えた一過性の流行に左右されない建築であること。
②人に根ざす
従業員の皆様や来訪されるお客様にとって心地よいヒューマンスケールを持つこと、目の前を流れる川とその背後の穏やかな山並みに代表される美しい風景を享受でき、居心地の良い内外の環境を構築することで利用者に愛される建築であること。
③社会に根ざす
周辺環境とのインターフェイスに緑を備え周囲の風景に調和させるとともに、建築ボリュームの操作によって遠景・中景・近景に与える影響を抑え、この地域の原風景となり地域社会に欠かすことのできない存在となること。
協働:たくと建築設計
施工:森長組
撮影:笹の倉舎/笹倉洋平