2026年6月25日
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ESSAY
【月イチ エッセイ】延長戦
本当にあれでよかったのか。帰りの車の中で、モヤる。
現場監督、鍛冶屋と頭を寄せ、ああでもない、こうでもないと考えた納まり。その道のプロフェッショナルとの打合せは、蓄積された経験からの意見に新たな視点を得られ、一人で悶々と進める検討よりも建設的だ。手摺にワイヤメッシュを固定する。ただそれだけ。言葉にすると実に簡単そうに聞こえる、このディテール。検討以前の想像の段階ではそう思っていた。しかし、スケッチを描けば矛盾が見つかる。建築とはそんな営みだ。
プロ達との打合せは一応の方向性を見出したところで解散となった。「ああ、なんとかなりそうだ。」そう思いながら帰路に着くが、頭の中では検討が続く。見付16㎜のシャープな手摺柱は検討の過程で見付が随分大きくなった。本当に、あれでよかったのか。高速を走りながら、頭の中はグルグルと同じところを回転していた。帰宅後、子どもの寝かしつけをしながら、納まりを考える。前提条件を一つずつ確認しながら、疑いながら、部材を前に出したり、引っ込めたり。見た目だけではなく、安全性や施工性も同時に考えなければならない。
延長戦の末、パーツを一つだけ柱の外に出してみた。これでワイヤーとの干渉も避けられ、安全性も担保されそうだ。
正解は一つではないし、そもそも存在するのかもわからない。明日にはまた別の問題が見つかるかも知れない。ただ、誰にも気づかれないような違和感のなさをつくること。それがディテールの本質なのだと思う。
明日は再び、現場監督との打合せである。
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